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少しだけ現実的な夢 6 - 響子さんの出産2 -

分娩台に横になった響子さんは、足置きに両足を載せ、股を大きく開き、惜しげもなく陰部を露わにした。赤ちゃんを産むためには、恥ずかしいなんて言ってられないのだわ。

響子:「あっはぁーん!んふぅうん!はあぁぁぁん...」
大きなお腹に陣痛が襲い、耐え切れない様子で響子さんは喘ぎ声をあげた。叫ぶというよりも、なまめかしい喘ぎ声だわ。
看護士:「高野さん、まだいきんじゃだめですよ。」
いきみを逃すのには理由があって、子宮口が全開になっていないときにいきむと、会陰部や膣内がひどく裂けてしまうことや、体に力が入いることで子宮口がなかなか開かず、お産がスムーズに進まない事があるからだそうだ。お産のときは、陣痛よりいきみを逃す方がつらかったという人もいるらしい。響子さんは、ラマーズの呼吸法で、必死にいきみを逃す。かなりつらそうだわ。
響子:「ひっ、ひっ、ふぅーっ。ひっ、ひっ、ふぅーっ。ひっ、ひっ、ふぅーっ。」
私は、響子さんの背後に回り、響子さんと両手をつないで一緒にラマーズ法の掛け声をかけてあげる。私の手を握る響子さんの手は、それほど力は入っておらず、上手にいきみを逃せているようだ。
痛みがおさまりかけた響子さんは、呼吸の仕方を変え、鼻から息を吸い「ふー」と長めに吐いた後、「うん」と声を出していきみを逃す。
響子:「ふーっ、うん。ふーっ、うん。」
看護士:「高野さん、上手ですよ。もう少し我慢していきみを逃しましょうね。」
響子:「ふーっ。はい。」
私は、響子さんの顔に噴き出した汗をハンドタオルでぬぐってあげた。

何度かいきみを逃した後、響子さんの子宮口は全開大となった。陣痛の継続時間は、さっきより長くなったみたい。
響子:「ああぁっつ、ああぁーーん!はあぁぁぁん...」
看護士:「高野さん、じゃあ、次の陣痛が来たらいきみましょうか。今回は我慢していきみを逃してくださいね。がんばってね。」
響子:「はい。ひっ、ひっ、ふぅーっ。ふーっ、うん。」
響子さんは、呼吸法で、いきみたい気持ちをひとまず乗り切った。

看護士:「はい。大きく息を吸ってぇー。吐いてぇー。大きく息を吸ってぇー。吐いてぇー。」
次の陣痛に備え、看護士さんの掛け声に合わせ、呼吸を整えていく響子さん。思わず、私も合わせて呼吸が深くなってしまったわ。
看護士:「はい。高野さん、陣痛が来たら呼吸を止めていきみますよ。」
響子:「夏実ちゃん。私の足元にまわって、赤ちゃんが出てくるところを見たらいいわ。」
夏実:「はい。」
私は、響子さんとつないでいた手を離し、響子さんの足元へまわった。響子さんは、分娩台の握り棒をつかみ、いきむための準備をした。響子さんのお腹に次の陣痛がやってきた。
響子:「ふぅうぅーん。」
響子さんは、お腹の下を覗き込むような感じで上体を起こし、下半身はお尻を突き出して陰部を上に向けるようして、お腹に力を込めた。
響子:「はぁーん。ふぅうぅーーん。」
響子さんは、一度息継ぎをし、続けていきむ。
看護士:「高野さん。痛みが過ぎたら、呼吸を整えますよ。」
響子:「ふぅうぅーーんっ。あぁっーん。」
痛みはだんだんと遠のき、響子さんは、ゆっくりと深呼吸に切り替えはじめた。
今のいきみで、赤ちゃんはだいぶ下がってきたようで、響子さんの少し開いた陰部から赤ちゃんの頭らしきものが見えてきた。まだ羊膜に包まれた状態なので、看護士さんは、羊膜を破いて破水させる。
「ぱぁーん。」
破水の瞬間、風船が割れるような音がした。今まで圧迫されていた羊膜から、音とともに羊水が噴き出してきた。
夏実:「すごい音。」
響子:「私が聞くのは2度目ね。上の子の時より大きな音だったわ。」
夏実:「もうすこしですね。響子さん。」
響子:「そうね。ああっん。」
響子さんに次の陣痛が襲ってきた。必死でいきむ響子さん。いきみにあわせて、羊水に濡れた赤ちゃんの頭が見え隠れし始めた。
夏実:「響子さん。赤ちゃんの頭が見えてきましたよ。」
響子:「ふぅうぅーーん。」
響子さんは、顔を真っ赤にしていきむ。だんだんと赤ちゃんが押し出され、赤ちゃんの顔全体が見えてきた。
夏実:「もう少しだわ。もう少しで赤ちゃんが出てくるわ。響子さん、がんばって!」
響子:「はぁーん。ふぅうぅーーん。うんあぁぁぁっーつ。」
響子さんは、渾身の力を振り絞ってお腹に力を入れ、赤ちゃんを押し出した。
看護士:「高野さん、赤ちゃんが出てくるよ。短促呼吸して。はい、はっ、はっ、はっ、はっ。」
響子さんは、いきみをやめ、力を抜いて短促呼吸に切り替えた。
看護士:「高野さん、はい、はっ、はっ、はっ、はっ。」
響子:「はっ、はっ、はっ、はっ。はあぁーーん。気持ちいいーーっ。」
最後は、「ぬるっ」といった感じで響子さんの股間から赤ちゃんが滑り出してきた。
夏実:「生まれた。生まれたわよ。響子さん。」
響子:「夏実ちゃん。生まれた瞬間、すごく気持ちよかったの。こんなのはじめて。」
夏実:「よかったですね。響子さん。」
響子さんは、可愛い女の子の人形を産んだ。とても精巧に作られていて本物みたいだった。赤ちゃんは、しばらくすると元気な産声を上げはじめた。看護士さんは、生まれた赤ちゃんを抱き上げ、産湯できれいに洗って、響子さんの胸元へ差し出した。
看護士:「高野さん、おめでとう。お母さんに似て可愛い女の子よ。」
響子:「ありがとう。可愛い。私の赤ちゃん。」
響子さんは、優しい表情で生まれたばかりの赤ちゃんを抱き、見つめ、満足そうに微笑んだ。この子がついさっきまで響子さんの大きなお腹の中に居たんだと思うと、なんだか不思議な感じがした。
夏実:「響子さん、ありがとうございました。とてもすばらしいお産でした。」
感動して少し涙ぐんだ私に、響子さんは、こう言った。
響子:「夏実ちゃん。次はあなたの番よ。元気な赤ちゃんを産んでね。」
響子さんの励ましの言葉に私は深くうなづいた。

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