少しだけ現実的な夢 5 - 響子さんの出産1 -
妊婦友達の高野響子さんの出産予定日が近づいてきた。今日も、響子さんといっしょにランチ。そのあとカラオケでもさそってみようかしら。響子さんのお腹は、はじめて会ったときよりだいぶ大きくなっているのがわかるわ。私も来週からいよいよ臨月に入るので、出産直前の響子さんに興味津々です。
最近の私の悩み事は、先日の妊婦検診でもらった陣痛や出産を演じるためのインストラクションDVDを毎日見て練習しているんだけれど、DVDは各シーンの要所のみ撮影・収録されているので、今ひとつお産の全体のイメージをつかみきれないということ。そのことを響子さんに相談すると、彼女から思いがけない提案があった。
響子:「じゃあ、私の出産に立ち会ってみる?」
夏実:「えっ、いいんですか?」
響子:「いいわよ。」
夏実:「でも、ご主人も立ち会われるんでしょ?私がいると邪魔になりませんか?」
響子:「実は、今回、旦那は仕事が忙しくて立ち会えないの。私も2人目だから、無理に立会ってもらわなくてもいいかと思ってお産の日程は調整しなかったの。」
夏実:「でも、心細くないですか?」
響子:「平気よ。2人目だからお産の進行もわかっているし。」
夏実:「じゃあ、私、立ち合わせてもらっていいですか?ていうか、ぜひ立ち合わせてください。」
響子:「いいわ。お願いね。」
夏実:「ありがとうございます。勉強になります。」
私は、響子さんの出産に立ち会えることになり、期待で胸がワクワクしてきた。
数日後、響子さんの出産の日が来た。早朝から陣痛が始まって入院したとの連絡が響子さんから入り、仕事に出かける主人を見送って、すぐにまさみクリニックに駆けつけることにした。私は臨月に入った大きなお腹のことを考えて、早朝の通勤ラッシュを避けるため、少し遠いけれど電車ではなくタクシーでまさみクリニックに向かった。
クリニックに着くと、響子さんは「陣痛室」でお腹に分娩監視装置のベルトを巻いて横になっていた。
響子:「夏実ちゃん、来てくれたのね。」
夏実:「おはようございます。」
響子さんは、普段かけていない眼鏡をかけていた。
夏実:「響子さんって、普段はコンタクトなんですね。」
響子:「そうよ。けっこう視力が悪いの。」
夏実:「お腹痛みますか?」
響子:「平気よ。ああっつ、やっぱり痛ぁい...」
響子さんは、2~3分おきに周期的にやってくる陣痛に顔をゆがめながら耐えた。実際は、痛みはないはずなのに、響子さんが苦しむ表情は、とても自然に見えた。私は、これから赤ちゃんが生まれるまでの間、響子さんを注意深く観察し、私の出産の参考にしようとあらためて決意したわ。しばらくの間、私は陣痛に苦しむ響子さんの脇に座り、背中や腰をさすってあげることにした。その間も度々看護士さんが来て、分娩監視装置や響子さんの子宮口がどれくらい開いたかをチェックする。響子さんの膣には管が通され、それは響子さんの子宮の中の上部にあるバルーンにつながっている。バルーンにはポンプから圧縮空気が静かに送り込まれ、そのバルーンに押し出され、響子さんの赤ちゃんは下へ降りていき、それに伴い子宮口が徐々に開いてくるのだ。マタニティーラバースーツはよくできているわ。
夏実:「赤ちゃんが下がってくるのを感じますか?」
響子:「ええ、わかるわ。それにバルーンが膨らむと、圧迫されて本当にお腹が痛くなったような気がするの。」
夏実:「私のお産のときも、同じように感じられるかしら?」
響子:「私は、1人目のときも感じたわよ。たぶん誰でもそうだと思うけど、まさみ先生に聞いてみたら?」
夏実:「そうします。響子さん。頑張ってくださいね。」
私は、かいがいしく響子さんの背中や腰をさすって、陣痛の痛みをやわらげてあげようとした。
陣痛が来ると、響子さんはラマーズの呼吸法をする。私も一緒に掛け声をかける。
しばらくして、また看護士さんが来て、響子さんのお産の進み具合をチェックする。もう子宮口は10cm近くに広がっていて、陣痛の間隔も1分くらいに短くなってきた。
看護士:「高野さん、陣痛の間隔が狭まってきたから分娩室に入りましょうね。」
響子:「はい。」
夏実:「いよいよですね。響子さん。」
響子:「そうね。頑張るわ、夏実ちゃん。」
看護士さんは、横になっていた響子さんを支えてゆっくりと起こし、立ち上がった響子さんは分娩室に向かってゆっくりと歩き出した。大きなお腹に手を当て、ゆっくりと歩く響子さん。歩いている間も陣痛がやってきて、立ち止まってお腹をさすりながら痛みに耐える。そして、陣痛がおさまるとまた歩き出し、やっとのことで分娩室に入った。
分娩台に上がる前に、響子さんは今まで着ていた前空きのマタニティパジャマのボタンをゆっくりと外して脱ぎ、マタニティパンティーも脱いで、分娩衣に着替える。はじめて見る響子さんの妊婦ヌード。響子さんの大きなお腹は、彼女の体の中心で一際存在感を放っている。艶やかに張ったお腹や乳房ははとても美しい曲線を醸し出していて、私は少し見とれてしまった。そして、響子さんは、分娩台に横になったわ。いよいよ赤ちゃんが生まれるのね。

最近の私の悩み事は、先日の妊婦検診でもらった陣痛や出産を演じるためのインストラクションDVDを毎日見て練習しているんだけれど、DVDは各シーンの要所のみ撮影・収録されているので、今ひとつお産の全体のイメージをつかみきれないということ。そのことを響子さんに相談すると、彼女から思いがけない提案があった。
響子:「じゃあ、私の出産に立ち会ってみる?」
夏実:「えっ、いいんですか?」
響子:「いいわよ。」
夏実:「でも、ご主人も立ち会われるんでしょ?私がいると邪魔になりませんか?」
響子:「実は、今回、旦那は仕事が忙しくて立ち会えないの。私も2人目だから、無理に立会ってもらわなくてもいいかと思ってお産の日程は調整しなかったの。」
夏実:「でも、心細くないですか?」
響子:「平気よ。2人目だからお産の進行もわかっているし。」
夏実:「じゃあ、私、立ち合わせてもらっていいですか?ていうか、ぜひ立ち合わせてください。」
響子:「いいわ。お願いね。」
夏実:「ありがとうございます。勉強になります。」
私は、響子さんの出産に立ち会えることになり、期待で胸がワクワクしてきた。
数日後、響子さんの出産の日が来た。早朝から陣痛が始まって入院したとの連絡が響子さんから入り、仕事に出かける主人を見送って、すぐにまさみクリニックに駆けつけることにした。私は臨月に入った大きなお腹のことを考えて、早朝の通勤ラッシュを避けるため、少し遠いけれど電車ではなくタクシーでまさみクリニックに向かった。
クリニックに着くと、響子さんは「陣痛室」でお腹に分娩監視装置のベルトを巻いて横になっていた。
響子:「夏実ちゃん、来てくれたのね。」
夏実:「おはようございます。」
響子さんは、普段かけていない眼鏡をかけていた。
夏実:「響子さんって、普段はコンタクトなんですね。」
響子:「そうよ。けっこう視力が悪いの。」
夏実:「お腹痛みますか?」
響子:「平気よ。ああっつ、やっぱり痛ぁい...」
響子さんは、2~3分おきに周期的にやってくる陣痛に顔をゆがめながら耐えた。実際は、痛みはないはずなのに、響子さんが苦しむ表情は、とても自然に見えた。私は、これから赤ちゃんが生まれるまでの間、響子さんを注意深く観察し、私の出産の参考にしようとあらためて決意したわ。しばらくの間、私は陣痛に苦しむ響子さんの脇に座り、背中や腰をさすってあげることにした。その間も度々看護士さんが来て、分娩監視装置や響子さんの子宮口がどれくらい開いたかをチェックする。響子さんの膣には管が通され、それは響子さんの子宮の中の上部にあるバルーンにつながっている。バルーンにはポンプから圧縮空気が静かに送り込まれ、そのバルーンに押し出され、響子さんの赤ちゃんは下へ降りていき、それに伴い子宮口が徐々に開いてくるのだ。マタニティーラバースーツはよくできているわ。
夏実:「赤ちゃんが下がってくるのを感じますか?」
響子:「ええ、わかるわ。それにバルーンが膨らむと、圧迫されて本当にお腹が痛くなったような気がするの。」
夏実:「私のお産のときも、同じように感じられるかしら?」
響子:「私は、1人目のときも感じたわよ。たぶん誰でもそうだと思うけど、まさみ先生に聞いてみたら?」
夏実:「そうします。響子さん。頑張ってくださいね。」
私は、かいがいしく響子さんの背中や腰をさすって、陣痛の痛みをやわらげてあげようとした。
陣痛が来ると、響子さんはラマーズの呼吸法をする。私も一緒に掛け声をかける。
しばらくして、また看護士さんが来て、響子さんのお産の進み具合をチェックする。もう子宮口は10cm近くに広がっていて、陣痛の間隔も1分くらいに短くなってきた。
看護士:「高野さん、陣痛の間隔が狭まってきたから分娩室に入りましょうね。」
響子:「はい。」
夏実:「いよいよですね。響子さん。」
響子:「そうね。頑張るわ、夏実ちゃん。」
看護士さんは、横になっていた響子さんを支えてゆっくりと起こし、立ち上がった響子さんは分娩室に向かってゆっくりと歩き出した。大きなお腹に手を当て、ゆっくりと歩く響子さん。歩いている間も陣痛がやってきて、立ち止まってお腹をさすりながら痛みに耐える。そして、陣痛がおさまるとまた歩き出し、やっとのことで分娩室に入った。
分娩台に上がる前に、響子さんは今まで着ていた前空きのマタニティパジャマのボタンをゆっくりと外して脱ぎ、マタニティパンティーも脱いで、分娩衣に着替える。はじめて見る響子さんの妊婦ヌード。響子さんの大きなお腹は、彼女の体の中心で一際存在感を放っている。艶やかに張ったお腹や乳房ははとても美しい曲線を醸し出していて、私は少し見とれてしまった。そして、響子さんは、分娩台に横になったわ。いよいよ赤ちゃんが生まれるのね。

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少しだけ現実的な夢 4 - 妊婦友達 -
時が経つのは早いもので、まさみクリニックに通いはじめてから1ヶ月と少しが経ったわ。検診は2週間に1回くらいの頻度で行っているの。クリニックで知り合った臨月の高野響子さんとは検診日が2度同じになり、連絡先を交換して外で会うようになった。響子さんは、さすがに臨月なので1週間に1回のペースで検診に来ているそうなの。結構大変そうです。
今までは、妊婦女装のお友達もいなかったので、彼(主人)やごく一部の昔からの友人としか会って話をしたりすることはなかったけれど、同じようにお腹の大きな妊婦友達ができると、妊娠のことや大きなお腹を抱えての普段の生活のことなど、いろいろなことを相談しあえて、とても楽しい。先日、主人と高原にドライブに出かけた頃は、出産後のことなどで悩み、少し気持ちが不安定になっていたかもしれないけれど、響子さんと遊ぶようになって、すっかり気分が晴れてきたわ。もう元気でマタニティの期間を謳歌しているって感じ。
今日の妊婦検診も響子さんと示し合わせて、同じ日の同じ時間帯にしたの。まさみクリニックの待合室では、周りの人が少しうるさいんじゃないかしらと心配するくらい、私たちはおしゃべりをするの。
夏実:「響子さんのお腹、はじめて会ったときより随分大きくなりましたね。今日が最後の検診で、次にクリニックに来るときは出産なんですよね。」
響子:「そうよ。いよいよね。2回目だけど、赤ちゃん産むのはワクワクしちゃうわ。」
夏実:「出産を演じるのは難しいんじゃないかと思うんだけど、どうなんですか?」
響子:「そんなに身構える必要はないわよ。まさに案ずるより産むが易し。夏実ちゃんも今日の検診くらいでインストラクションDVDをもらえるはずよ。それを見て陣痛から出産までの段取りや演じ方を大まかに勉強しておけば大丈夫よ。」
夏実:「DVDで色々説明を受けられるんですね。」
響子:「そうよ。それに、実際は看護士さんやまさみ先生から、どのタイミングでどういう風に演じればいいか、それとなくサインやアドバイスを出してくれるの。あとは、思いっきり自分をさらけ出して陣痛や産みの苦しみに耐える産婦を演じればいいの。そうした方が萌えるし、赤ちゃんが生まれたときの達成感や爽快感も格別になると思うわ。」
夏実:「自分をさらけ出す?」
響子:「そう。思いっきり悶え、いきみ、喘ぐの。大声を出してもいいわ。でも女っぽくね。女の自分を感じながら演じるのよ。」
夏実:「なんだか素敵。DVD早く見てみたい。」
響子:「変な話だけど...」
急に響子は私の耳元で小声で話しだした。
響子:「夏実ちゃんは、ご主人との夜のエッチで喘ぐんでしょ。」
夏実:「えっ。はずかしいんで、あんまり...。」
響子:「お産のときの喘ぎの練習になるわ。意識してやった方がいいわよ。ご主人もその方が喜ぶわ。」
夏実:「そうなんですか。私、頑張ります!」
私は、張り切りすぎて少し大きな声がでてしまった。
響子:「夏実ちゃんって、やっぱり少し天然なところがあるわよね。うふふっ。」
夏実:「もお、響子さんたら、そんなことないですよぉ。」
私は、少しほっぺたを膨らませ、怒ったような表情をする。そして、私も興味があったので響子さんの耳元に顔を寄せて聞き返してみた。
夏実:「そういう響子さんは、喘ぐんですか?旦那さんとのエッチのとき。」
響子:「もうめちゃくちゃ喘ぐよぉ~。うちの旦那は、お前の喘ぎ声を聞きながらすると興奮するって言うの。」
夏実:「まあ、響子さんって大胆!」
響子さんとは、何でもお話できてすごく楽しい。

今までは、妊婦女装のお友達もいなかったので、彼(主人)やごく一部の昔からの友人としか会って話をしたりすることはなかったけれど、同じようにお腹の大きな妊婦友達ができると、妊娠のことや大きなお腹を抱えての普段の生活のことなど、いろいろなことを相談しあえて、とても楽しい。先日、主人と高原にドライブに出かけた頃は、出産後のことなどで悩み、少し気持ちが不安定になっていたかもしれないけれど、響子さんと遊ぶようになって、すっかり気分が晴れてきたわ。もう元気でマタニティの期間を謳歌しているって感じ。
今日の妊婦検診も響子さんと示し合わせて、同じ日の同じ時間帯にしたの。まさみクリニックの待合室では、周りの人が少しうるさいんじゃないかしらと心配するくらい、私たちはおしゃべりをするの。
夏実:「響子さんのお腹、はじめて会ったときより随分大きくなりましたね。今日が最後の検診で、次にクリニックに来るときは出産なんですよね。」
響子:「そうよ。いよいよね。2回目だけど、赤ちゃん産むのはワクワクしちゃうわ。」
夏実:「出産を演じるのは難しいんじゃないかと思うんだけど、どうなんですか?」
響子:「そんなに身構える必要はないわよ。まさに案ずるより産むが易し。夏実ちゃんも今日の検診くらいでインストラクションDVDをもらえるはずよ。それを見て陣痛から出産までの段取りや演じ方を大まかに勉強しておけば大丈夫よ。」
夏実:「DVDで色々説明を受けられるんですね。」
響子:「そうよ。それに、実際は看護士さんやまさみ先生から、どのタイミングでどういう風に演じればいいか、それとなくサインやアドバイスを出してくれるの。あとは、思いっきり自分をさらけ出して陣痛や産みの苦しみに耐える産婦を演じればいいの。そうした方が萌えるし、赤ちゃんが生まれたときの達成感や爽快感も格別になると思うわ。」
夏実:「自分をさらけ出す?」
響子:「そう。思いっきり悶え、いきみ、喘ぐの。大声を出してもいいわ。でも女っぽくね。女の自分を感じながら演じるのよ。」
夏実:「なんだか素敵。DVD早く見てみたい。」
響子:「変な話だけど...」
急に響子は私の耳元で小声で話しだした。
響子:「夏実ちゃんは、ご主人との夜のエッチで喘ぐんでしょ。」
夏実:「えっ。はずかしいんで、あんまり...。」
響子:「お産のときの喘ぎの練習になるわ。意識してやった方がいいわよ。ご主人もその方が喜ぶわ。」
夏実:「そうなんですか。私、頑張ります!」
私は、張り切りすぎて少し大きな声がでてしまった。
響子:「夏実ちゃんって、やっぱり少し天然なところがあるわよね。うふふっ。」
夏実:「もお、響子さんたら、そんなことないですよぉ。」
私は、少しほっぺたを膨らませ、怒ったような表情をする。そして、私も興味があったので響子さんの耳元に顔を寄せて聞き返してみた。
夏実:「そういう響子さんは、喘ぐんですか?旦那さんとのエッチのとき。」
響子:「もうめちゃくちゃ喘ぐよぉ~。うちの旦那は、お前の喘ぎ声を聞きながらすると興奮するって言うの。」
夏実:「まあ、響子さんって大胆!」
響子さんとは、何でもお話できてすごく楽しい。

少しだけ現実的な夢 3 - マタニティ・ブルー? -
マタニティーラバースーツを着用してから、より本物の妊婦に近づけた私。少し自信が増してきたのか、最近よくお出かけをするようになったわ。休日には、彼と二人でショッピングモールへ行ったりもするの。ショッピングモールでは彼と腕を組んで歩き、大きなお腹を抱えた幸せな奥さんを演じているの。私は、これ見よがしにお腹を突き出して歩き、行き交う人々に自慢するような気分で歩くの。「私の大きなお腹を見て!お腹の中に彼の赤ちゃんがいるのよ。私はとっても幸せよ!」と心の中でつぶやき、そして優しい微笑みを浮かべながら...
今日はよく晴れた日曜日。
もう冬のはずだけど、まだまだ暖かいので、彼と二人で少し遠出をして高原へドライブすることにしたの。私は、黒いマタニティワンピースだけだと寒いといけないので、デニムのジャケットを羽織って行くことにしたわ。
高速道路を降りてしばらく行くと、山道になった。なだらかな山道は、葉の落ちた並木が続いている。私は助手席で大きなお腹を撫でながら窓の外を眺めている。
夏実:「ああ、やっぱり山の方だと冬が近づいている感じがするわ。」
彼氏:「そうだね。寒くない?」
夏実:「私は平気だけど、お腹の赤ちゃんはどうかな。」
彼氏:「じゃあ、ほんの少し暖かくしようか。」
彼は、エアコンの温度を少し高めに操作した。少しだけ暖かい風がエアコンの吹き出し口から流れ、私のお腹にあたる。しばらくすると高原に着き、私たちは車から降りた。高原には、あまり人はいなく、静かだった。風も強くなく、まさに小春日和といった感じ。私たちは遊歩道を歩くことにした。遊歩道を彼と話しながら歩く。彼は妊婦の私を気遣い歩く速さをあわせてくれているようだ。相変わらず優しい。

夏実:「ねえ、赤ちゃんの名前どうしようか。」
彼氏:「そうだな。なんか男の子らしい名前がいいな。」
夏実:「例えば?」
彼氏:「大樹とか?」
夏実:「大樹かぁ。いい名前ね。」
彼氏:「大ちゃん。パパだよ。」
彼は、私のお腹の中にいる赤ちゃんへ話しかける。思わず微笑んでしまう私。
夏実:「大ちゃん。パパの声聞こえる?」
私もお腹の赤ちゃんに離しかけてみると、赤ちゃんはグリグリ動き、私のお腹を蹴り始めた。お腹の中の赤ちゃんは、外の音や揺れを感じると、よく動くようになっているみたい。
夏実:「大ちゃん、そんなにママのお腹を蹴らないで。」
彼は、私のお腹に手を当て、赤ちゃんが動くのを感じとろうとしたが、すぐに胎動はおさまり、私たちは、また歩き始めた。
夏実:「ねえ、字画とかはこだわるの。」
彼氏:「いや。それって迷信ぽいから。あまり気にしない。」
夏実:「そうね。それでいいかもね。ねえ、少し現実的な話をしていい?」
彼氏:「何?」
夏実:「私たちって、こんな風に本当に赤ちゃんが生まれるカップルみたいに振舞ってるじゃない?」
彼氏:「ああそうだな。」
夏実:「私がまさみクリニックで出産したら、といっても擬似出産だけど、その後はどうしたらいいかしら。」
彼氏:「どうしたらって?」
夏実:「私が産むのは、本物の赤ちゃんじゃなくて人形なのよね。本物だと、お産の後は育児とかが待っているじゃない?それがないのよね。」
彼氏:「そうだよな。」
夏実:「それって少しさびしくない?」
彼氏:「確かにな。でも、どうしようもないよね。養子でももらう?」
夏実:「それも考えたけど、その子のことを考えると私たちでいいのかなって。」
私たちは立ち止まった。彼と私に沈黙がつづき、うつむく私。
いくらリアルなマタニティーラバースーツを着て、妊婦になりきって生活できても、出産を境に現実を直視しなければならないときがやってくるんだわ。それを考えはじめると、目の前の妊婦としての楽しい生活がふっと頭から消え、暗い気分になってしまう。
しばらくの沈黙の後、ふいに、彼が私の大きなお腹に手を当て撫でてくれた。
彼氏:「少し考えすぎかもしれないよ。そのことは、これからゆっくり考えればいいさ。まずは、夏実は、今のマタニティライフを楽しまなくちゃ。」
夏実:「そうね。そうするわ。ありがとう。くよくよしちゃダメね。今を楽しまなくちゃ。」
彼氏:「そうだよ。駐車場の横にレストランがあったよね。あそこで食事でもして帰ろうか?」
夏実:「いいわね。あのレストラン少し気になっていたのよ。」
彼氏:「じゃあ、駐車場に戻ろうか。」
彼は、私の手を握ってくれた。私たちは、手をつないで遊歩道を歩いて帰った。彼の優しさに私の暗い気分は少し明るくなった気がした。

今日はよく晴れた日曜日。
もう冬のはずだけど、まだまだ暖かいので、彼と二人で少し遠出をして高原へドライブすることにしたの。私は、黒いマタニティワンピースだけだと寒いといけないので、デニムのジャケットを羽織って行くことにしたわ。
高速道路を降りてしばらく行くと、山道になった。なだらかな山道は、葉の落ちた並木が続いている。私は助手席で大きなお腹を撫でながら窓の外を眺めている。
夏実:「ああ、やっぱり山の方だと冬が近づいている感じがするわ。」
彼氏:「そうだね。寒くない?」
夏実:「私は平気だけど、お腹の赤ちゃんはどうかな。」
彼氏:「じゃあ、ほんの少し暖かくしようか。」
彼は、エアコンの温度を少し高めに操作した。少しだけ暖かい風がエアコンの吹き出し口から流れ、私のお腹にあたる。しばらくすると高原に着き、私たちは車から降りた。高原には、あまり人はいなく、静かだった。風も強くなく、まさに小春日和といった感じ。私たちは遊歩道を歩くことにした。遊歩道を彼と話しながら歩く。彼は妊婦の私を気遣い歩く速さをあわせてくれているようだ。相変わらず優しい。

夏実:「ねえ、赤ちゃんの名前どうしようか。」
彼氏:「そうだな。なんか男の子らしい名前がいいな。」
夏実:「例えば?」
彼氏:「大樹とか?」
夏実:「大樹かぁ。いい名前ね。」
彼氏:「大ちゃん。パパだよ。」
彼は、私のお腹の中にいる赤ちゃんへ話しかける。思わず微笑んでしまう私。
夏実:「大ちゃん。パパの声聞こえる?」
私もお腹の赤ちゃんに離しかけてみると、赤ちゃんはグリグリ動き、私のお腹を蹴り始めた。お腹の中の赤ちゃんは、外の音や揺れを感じると、よく動くようになっているみたい。
夏実:「大ちゃん、そんなにママのお腹を蹴らないで。」
彼は、私のお腹に手を当て、赤ちゃんが動くのを感じとろうとしたが、すぐに胎動はおさまり、私たちは、また歩き始めた。
夏実:「ねえ、字画とかはこだわるの。」
彼氏:「いや。それって迷信ぽいから。あまり気にしない。」
夏実:「そうね。それでいいかもね。ねえ、少し現実的な話をしていい?」
彼氏:「何?」
夏実:「私たちって、こんな風に本当に赤ちゃんが生まれるカップルみたいに振舞ってるじゃない?」
彼氏:「ああそうだな。」
夏実:「私がまさみクリニックで出産したら、といっても擬似出産だけど、その後はどうしたらいいかしら。」
彼氏:「どうしたらって?」
夏実:「私が産むのは、本物の赤ちゃんじゃなくて人形なのよね。本物だと、お産の後は育児とかが待っているじゃない?それがないのよね。」
彼氏:「そうだよな。」
夏実:「それって少しさびしくない?」
彼氏:「確かにな。でも、どうしようもないよね。養子でももらう?」
夏実:「それも考えたけど、その子のことを考えると私たちでいいのかなって。」
私たちは立ち止まった。彼と私に沈黙がつづき、うつむく私。
いくらリアルなマタニティーラバースーツを着て、妊婦になりきって生活できても、出産を境に現実を直視しなければならないときがやってくるんだわ。それを考えはじめると、目の前の妊婦としての楽しい生活がふっと頭から消え、暗い気分になってしまう。
しばらくの沈黙の後、ふいに、彼が私の大きなお腹に手を当て撫でてくれた。
彼氏:「少し考えすぎかもしれないよ。そのことは、これからゆっくり考えればいいさ。まずは、夏実は、今のマタニティライフを楽しまなくちゃ。」
夏実:「そうね。そうするわ。ありがとう。くよくよしちゃダメね。今を楽しまなくちゃ。」
彼氏:「そうだよ。駐車場の横にレストランがあったよね。あそこで食事でもして帰ろうか?」
夏実:「いいわね。あのレストラン少し気になっていたのよ。」
彼氏:「じゃあ、駐車場に戻ろうか。」
彼は、私の手を握ってくれた。私たちは、手をつないで遊歩道を歩いて帰った。彼の優しさに私の暗い気分は少し明るくなった気がした。

少しだけ現実的な夢 2 - 超音波検診 -
つづき...
しばらくして、まさみ先生が大きなお腹を突き出して診察室に入ってきた。双子ちゃんがいるお腹はいつ見ても大きいわ。
先生:「海野さん、どうですか?変わりないですか?マタニティラバースーツには慣れましたか?」
夏実:「はい。だいぶ慣れてきました。」
先生:「そう。よかったわ。前のお腹と比べてどうですか?」
夏実:「なんだか、最近本物のお腹のように思えてきちゃって...」
先生:「そうね。私も同じだったわ。自分が本物の妊婦になったと錯覚しちゃって。女性らしさや母性が増したような気がしたわ。」
夏実:「母性ですか。私は、まだそこまでは強く感じていないけど。私も、そうなれますか?」
先生:「なれるわよ。あなたはもうすぐママになるのよ。」
夏実:「うれしい。」
先生:「じゃあ、超音波検診はじめますね。お腹の中の赤ちゃんの姿や形が見えるの。知っているわよね。」
夏実:「はい。赤ちゃんの性別もわかるんですよね。」
先生:「そうよ。どうする?教えてほしい?」
夏実:「主人は男の子が欲しいっていっているので、そうだったら早く知りたいんですけど。」
先生:「もし、女の子だったら?」
夏実:「実は、私は女の子がいいんですが。そうだったら主人が残念がるかしら....。でも元気な赤ちゃんならどちらでもうれしいので、やっぱり教えてください。」
先生:「わかったわ。」
まさみ先生は、超音波検診装置のプローブをつかんで、ジェリーのついた私の下腹部に押し当てた。プローブでジェリーをお腹に延ばしながら装置のモニタを見て、色々な角度から画像を撮ったわ。
先生:「異常は無いわね。あなたのお腹の中で赤ちゃんは順調に育っているわよ。見てみる?」
夏実:「はい。」
先生は、ベッドに横になっている私に見えるように装置のモニタの向きを変え、それを見ながら説明してくれたの。
モニタの画面には、丸い袋のような私の子宮が映っていて、その中に赤ちゃんの形がはっきりと見えたの。子宮と赤ちゃんの間は黒く映っていて、ここに羊水があるのね。
夏実:「あのぉ、先生。黒く映っている部分に羊水が入っているんですよね。」
先生:「そうよ。あなたの子宮の中ではね、赤ちゃんと羊水を羊膜に相当するシリコンの袋が包んでいるの。お産の時は、赤ちゃんの頭が発露すると、シリコンの袋を破いて破水させるのよ。」
夏実:「やっぱり羊水が入っているんですね。でも、そんなにタプタプ感はないんですけど。」
先生:「羊水は少し粘り気をつけているのよ。歩くたびにタプタプすると変だし、妊婦女装がばれちゃうかもしれないじゃない?」
夏実:「なるほど。あの、羊膜って普段生活していて破けたりしないんですか?」
先生:「大丈夫よ。それなりに強いから。お産のときまで破水しないわ。」
夏実:「よかった。」
先生:「性別を見てみましょうか。このあたりね。」
先生は、プローブを私のお腹の上側部へと動かした。グリグリとプローブを動かしていると、モニタに赤ちゃんのお尻のあたりが映ったわ。
先生:「ああ、ご主人、喜ぶわ。男の子ね。帰ったら伝えなくちゃね。」
夏実:「ええ。」
私は女の子が欲しかったので少し残念だったけど、主人が喜ぶ顔を見れるとうれしいと思った。というか、本物の赤ちゃんが生まれるわけではないので、私たちが、喜んだり、残念がったりするのも、考えてみれば変な話。でも、少しでもリアルなマタニティライフを満喫するには、こんなことも自然に演じられるのは大切なこと。
先生:「写真をプリントアウトするわね。ご主人喜ぶわよ。」
夏実:「はい。ありがとうございます。」
まさみ先生から、写真のプリントアウトを手渡され、私は、私のお腹の中にいる赤ちゃんの姿かたちをもう一度よく見てみた。赤ちゃんは実際には「お人形」なんだけど、私の大きなお腹の中に居るんだと思うとなんだか可愛くていとおしい感じがした。もしかして、こんな風に母性が強まっていくのかしら。私の心の中でママになる準備がはじまっているの?
看護士さんが私のお腹についたジェリーをきれいにふき取ってくれている間に、まさみ先生は、大きなお腹を突き出して診察室の奥の方へ帰っていった。

看護士:「はい、じゃあ、海野さん、パンツを脱いで検診台に上がってください。」
なんだか、あっさりパンティーを脱いでくださいと言われ、産婦人科ってこんなものなのかなと感じた。今日も下の検診があるのかしら。少し恥らいながらも、大きなお腹を片手で庇い、もう片方の手でマタニティーパンティーを脱ぐ私。そして、看護士さんに支えられながら検診台に上がり、股を広げて足置きに両足を載せた。産婦人科の検診台は、これに上がると自分が女として扱われていることを実感して萌えるの。私、結構検診台が気に入ったかも。
看護士:「少しだけ妊娠週数が経過したので、それに見合うようお腹を大きくしますね。」
夏実:「えっ、どうやって大きくするんですか?」
看護士:「マタニティーラバースーツを借りるときに説明をうけなかったかしら。」
夏実:「ええ。」
看護士:「ごめんなさいね。じゃあ、説明するわね。さっき先生が羊膜のお話をされていたと思うけど、羊膜には弁があって、羊水を補給できるようになっているの。お腹の中の赤ちゃんの大きさは変えられないけれど、羊水を足して、妊娠週数にあわせてお腹を大きくしていくのよ。これから検診の度にしますからね。覚えておいてくださいね。」
夏実:「はい。」
看護士:「じゃあ、膣を広げて、羊膜の弁に管を挿しますね。ちょっと失礼します。」
看護士さんは、クスコという膣を広げる器具を握って、私の膣に挿入してきた。
マタニティラバースーツには、分娩のときに赤ちゃんが出てくる「膣」があるのだ。
夏実:「ああっつ。」
初めてクスコを挿入され、その感覚に少し驚いた。
看護士:「大丈夫ですか。」
夏実:「はい。」
マタニティラバースーツにある「膣」は、パートナーとのセッセセにも使えると説明を受けていたので、スーツを借りてから彼と何度か試してみた。「膣」はちょうど私の陰茎に重なるように配置されているので、彼の大きなおちんちんが出入りすることで、私の陰茎も摩られる形になり、快感を得ることができるのだ。クスコは彼のおちんちんとは違い金属の冷たさを感じ、少しだけ私はびっくりした。
看護士:「ちょっと服をめくって見てみますか?少しだけだけどお腹が大きくなるのがわかるわ。」
私は、マタニティウェアの裾をめくって、お腹を出してみた。看護士さんは、私の股間を覗き込み、クスコ越しに私の膣内の弁を探し、カテーテルをゆっくりと差し込んだ。カテーテルは、足元のポンプのようなものにつながっていてポンプには羊水が入っていると思われるポットがついていた。
看護士:「はい、じゃあ始めますよ。」
私は少し緊張したわ。看護士さんはポンプのスイッチを操作し、追加の羊水を私の羊膜の内側に流し始めた。ポンプの機械音とともにお腹の圧迫感が徐々に増してきた。羊水が注ぎ込まれているんだわ。そして、私のお腹は少しだけ前にせり出してきた。
看護士:「はい。終わりましたよ。検診の度にお腹を大きくしていくんで、毎回の検診をお楽しみにね。」
夏実:「はい、ありがとうございました。」
看護士さんはカテーテルを私の膣から抜き、抜いた際に私の陰部に少し漏れた羊水をきれいにふき取ってくれた。
私は検診台から下りてパンティーを履き、めくれていたマタニティワンピの裾を直した。そして、少し大きく、重くなったお腹を抱え、診察室から出た。こういった細かな演出で、私のお腹の中で赤ちゃんが育っている感覚を体験させてくれるのだと思うと、やっぱりこのクリニックに来てよかったとあらためて思ったわ。
診察が終わり、受付で診療代を払った私は、もらった胎児の写真を胸に、まさみクリニックを出た。来た時よりも少し大きく、重くなったお腹を突き出して駅まで歩く私。駅に向かう間、私は何度も何度も写真を見返して、一人で笑みを浮かべていた。なんだかうれしくてたまらなかったわ。
帰りの電車の中でも素敵なことがあったの。電車が少し混んでいて、私はつり革につかまり立ってたんだけど、お腹の大きな私に若い男性が席を譲ってくれたの。妊婦として認められたんだと思うと、とてもうれしかったわ。
---
家に帰って夕飯の仕度を済ませ、彼の帰りを待つ私。ロッキングチェアに座り、ゆっくりと揺らしながら、レースの編み物をするの。ロッキングチェアに揺られているせいか、お腹の中の赤ちゃんはよく動くわ。今作っているのは、赤ちゃんのポンチョ。赤ちゃんのお洋服はいつ見ても小さくて可愛いわ。私は、8割方仕上がった白いレースのポンチョを、私の大きなお腹の上においてみる。「はやく会いたいわ。私の赤ちゃん。」私は、お腹に向かってそうつぶやいて微笑む。リビングの壁に掛けている姿見は、ちょうど私の正面にあり、そこには優しい笑みをうかべた大きなお腹の私の姿が映っていた。微笑む自分自身の顔を見つめ、優しい母の表情になっている私に思わずうっとりとした。私の中で確実に母性が高まり、輝きはじめているんだわ。
しばらくして、玄関のチャイムが鳴った。
夏実:「はぁーい。」
大きなお腹をかばいながらゆっくりと腰を上げ、玄関まで彼を迎えに行く私。
彼氏:「ただいま」
夏実:「おかえりなさい。」
彼氏:「今日はどうだった。検診だったんだろ。」
夏実:「そうよ。」
彼氏:「あれっ。少しお腹大きくなった?」
夏実:「わかるの?」
彼氏:「毎日見てるからね。」
夏実:「これから検診の度に、妊娠週数にあわせてお腹を大きくしてくれるらしいわ。すごいでしょ。」
彼氏:「へえ、そんなことができるのか。すごいな。」
夏実:「それにね。今日は超音波検診を受けたの。」
彼氏:「順調だった?」
夏実:「もちろんよ。超音波の写真をいただいたの。これよ。」
彼氏:「おお、ちゃんと人間の形してるね。これが俺たちの赤ん坊か。」
夏実:「あのね。赤ちゃんの性別もわかったのよ。知りたい?」
彼氏:「どっち?」
夏実:「あなたの望みどおり、男の子だって。」
彼氏:「やった。男の子か。よくやった夏実。でかしたぞ。」
彼は私に抱きつき、とても喜んでくれた。
夏実:「痛い。そんなに強く抱きつかないで。私お腹に赤ちゃんがいるんだから。」
彼氏:「おお、そうだった。ゴメン。でもよかったな。」
夏実:「うん。」
妊婦生活の幸せな一コマを演じていることに萌え、少しほほを赤らめながら、私は小さくうなづく。
つづく...
しばらくして、まさみ先生が大きなお腹を突き出して診察室に入ってきた。双子ちゃんがいるお腹はいつ見ても大きいわ。
先生:「海野さん、どうですか?変わりないですか?マタニティラバースーツには慣れましたか?」
夏実:「はい。だいぶ慣れてきました。」
先生:「そう。よかったわ。前のお腹と比べてどうですか?」
夏実:「なんだか、最近本物のお腹のように思えてきちゃって...」
先生:「そうね。私も同じだったわ。自分が本物の妊婦になったと錯覚しちゃって。女性らしさや母性が増したような気がしたわ。」
夏実:「母性ですか。私は、まだそこまでは強く感じていないけど。私も、そうなれますか?」
先生:「なれるわよ。あなたはもうすぐママになるのよ。」
夏実:「うれしい。」
先生:「じゃあ、超音波検診はじめますね。お腹の中の赤ちゃんの姿や形が見えるの。知っているわよね。」
夏実:「はい。赤ちゃんの性別もわかるんですよね。」
先生:「そうよ。どうする?教えてほしい?」
夏実:「主人は男の子が欲しいっていっているので、そうだったら早く知りたいんですけど。」
先生:「もし、女の子だったら?」
夏実:「実は、私は女の子がいいんですが。そうだったら主人が残念がるかしら....。でも元気な赤ちゃんならどちらでもうれしいので、やっぱり教えてください。」
先生:「わかったわ。」
まさみ先生は、超音波検診装置のプローブをつかんで、ジェリーのついた私の下腹部に押し当てた。プローブでジェリーをお腹に延ばしながら装置のモニタを見て、色々な角度から画像を撮ったわ。
先生:「異常は無いわね。あなたのお腹の中で赤ちゃんは順調に育っているわよ。見てみる?」
夏実:「はい。」
先生は、ベッドに横になっている私に見えるように装置のモニタの向きを変え、それを見ながら説明してくれたの。
モニタの画面には、丸い袋のような私の子宮が映っていて、その中に赤ちゃんの形がはっきりと見えたの。子宮と赤ちゃんの間は黒く映っていて、ここに羊水があるのね。
夏実:「あのぉ、先生。黒く映っている部分に羊水が入っているんですよね。」
先生:「そうよ。あなたの子宮の中ではね、赤ちゃんと羊水を羊膜に相当するシリコンの袋が包んでいるの。お産の時は、赤ちゃんの頭が発露すると、シリコンの袋を破いて破水させるのよ。」
夏実:「やっぱり羊水が入っているんですね。でも、そんなにタプタプ感はないんですけど。」
先生:「羊水は少し粘り気をつけているのよ。歩くたびにタプタプすると変だし、妊婦女装がばれちゃうかもしれないじゃない?」
夏実:「なるほど。あの、羊膜って普段生活していて破けたりしないんですか?」
先生:「大丈夫よ。それなりに強いから。お産のときまで破水しないわ。」
夏実:「よかった。」
先生:「性別を見てみましょうか。このあたりね。」
先生は、プローブを私のお腹の上側部へと動かした。グリグリとプローブを動かしていると、モニタに赤ちゃんのお尻のあたりが映ったわ。
先生:「ああ、ご主人、喜ぶわ。男の子ね。帰ったら伝えなくちゃね。」
夏実:「ええ。」
私は女の子が欲しかったので少し残念だったけど、主人が喜ぶ顔を見れるとうれしいと思った。というか、本物の赤ちゃんが生まれるわけではないので、私たちが、喜んだり、残念がったりするのも、考えてみれば変な話。でも、少しでもリアルなマタニティライフを満喫するには、こんなことも自然に演じられるのは大切なこと。
先生:「写真をプリントアウトするわね。ご主人喜ぶわよ。」
夏実:「はい。ありがとうございます。」
まさみ先生から、写真のプリントアウトを手渡され、私は、私のお腹の中にいる赤ちゃんの姿かたちをもう一度よく見てみた。赤ちゃんは実際には「お人形」なんだけど、私の大きなお腹の中に居るんだと思うとなんだか可愛くていとおしい感じがした。もしかして、こんな風に母性が強まっていくのかしら。私の心の中でママになる準備がはじまっているの?
看護士さんが私のお腹についたジェリーをきれいにふき取ってくれている間に、まさみ先生は、大きなお腹を突き出して診察室の奥の方へ帰っていった。

看護士:「はい、じゃあ、海野さん、パンツを脱いで検診台に上がってください。」
なんだか、あっさりパンティーを脱いでくださいと言われ、産婦人科ってこんなものなのかなと感じた。今日も下の検診があるのかしら。少し恥らいながらも、大きなお腹を片手で庇い、もう片方の手でマタニティーパンティーを脱ぐ私。そして、看護士さんに支えられながら検診台に上がり、股を広げて足置きに両足を載せた。産婦人科の検診台は、これに上がると自分が女として扱われていることを実感して萌えるの。私、結構検診台が気に入ったかも。
看護士:「少しだけ妊娠週数が経過したので、それに見合うようお腹を大きくしますね。」
夏実:「えっ、どうやって大きくするんですか?」
看護士:「マタニティーラバースーツを借りるときに説明をうけなかったかしら。」
夏実:「ええ。」
看護士:「ごめんなさいね。じゃあ、説明するわね。さっき先生が羊膜のお話をされていたと思うけど、羊膜には弁があって、羊水を補給できるようになっているの。お腹の中の赤ちゃんの大きさは変えられないけれど、羊水を足して、妊娠週数にあわせてお腹を大きくしていくのよ。これから検診の度にしますからね。覚えておいてくださいね。」
夏実:「はい。」
看護士:「じゃあ、膣を広げて、羊膜の弁に管を挿しますね。ちょっと失礼します。」
看護士さんは、クスコという膣を広げる器具を握って、私の膣に挿入してきた。
マタニティラバースーツには、分娩のときに赤ちゃんが出てくる「膣」があるのだ。
夏実:「ああっつ。」
初めてクスコを挿入され、その感覚に少し驚いた。
看護士:「大丈夫ですか。」
夏実:「はい。」
マタニティラバースーツにある「膣」は、パートナーとのセッセセにも使えると説明を受けていたので、スーツを借りてから彼と何度か試してみた。「膣」はちょうど私の陰茎に重なるように配置されているので、彼の大きなおちんちんが出入りすることで、私の陰茎も摩られる形になり、快感を得ることができるのだ。クスコは彼のおちんちんとは違い金属の冷たさを感じ、少しだけ私はびっくりした。
看護士:「ちょっと服をめくって見てみますか?少しだけだけどお腹が大きくなるのがわかるわ。」
私は、マタニティウェアの裾をめくって、お腹を出してみた。看護士さんは、私の股間を覗き込み、クスコ越しに私の膣内の弁を探し、カテーテルをゆっくりと差し込んだ。カテーテルは、足元のポンプのようなものにつながっていてポンプには羊水が入っていると思われるポットがついていた。
看護士:「はい、じゃあ始めますよ。」
私は少し緊張したわ。看護士さんはポンプのスイッチを操作し、追加の羊水を私の羊膜の内側に流し始めた。ポンプの機械音とともにお腹の圧迫感が徐々に増してきた。羊水が注ぎ込まれているんだわ。そして、私のお腹は少しだけ前にせり出してきた。
看護士:「はい。終わりましたよ。検診の度にお腹を大きくしていくんで、毎回の検診をお楽しみにね。」
夏実:「はい、ありがとうございました。」
看護士さんはカテーテルを私の膣から抜き、抜いた際に私の陰部に少し漏れた羊水をきれいにふき取ってくれた。
私は検診台から下りてパンティーを履き、めくれていたマタニティワンピの裾を直した。そして、少し大きく、重くなったお腹を抱え、診察室から出た。こういった細かな演出で、私のお腹の中で赤ちゃんが育っている感覚を体験させてくれるのだと思うと、やっぱりこのクリニックに来てよかったとあらためて思ったわ。
診察が終わり、受付で診療代を払った私は、もらった胎児の写真を胸に、まさみクリニックを出た。来た時よりも少し大きく、重くなったお腹を突き出して駅まで歩く私。駅に向かう間、私は何度も何度も写真を見返して、一人で笑みを浮かべていた。なんだかうれしくてたまらなかったわ。
帰りの電車の中でも素敵なことがあったの。電車が少し混んでいて、私はつり革につかまり立ってたんだけど、お腹の大きな私に若い男性が席を譲ってくれたの。妊婦として認められたんだと思うと、とてもうれしかったわ。
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家に帰って夕飯の仕度を済ませ、彼の帰りを待つ私。ロッキングチェアに座り、ゆっくりと揺らしながら、レースの編み物をするの。ロッキングチェアに揺られているせいか、お腹の中の赤ちゃんはよく動くわ。今作っているのは、赤ちゃんのポンチョ。赤ちゃんのお洋服はいつ見ても小さくて可愛いわ。私は、8割方仕上がった白いレースのポンチョを、私の大きなお腹の上においてみる。「はやく会いたいわ。私の赤ちゃん。」私は、お腹に向かってそうつぶやいて微笑む。リビングの壁に掛けている姿見は、ちょうど私の正面にあり、そこには優しい笑みをうかべた大きなお腹の私の姿が映っていた。微笑む自分自身の顔を見つめ、優しい母の表情になっている私に思わずうっとりとした。私の中で確実に母性が高まり、輝きはじめているんだわ。
しばらくして、玄関のチャイムが鳴った。
夏実:「はぁーい。」
大きなお腹をかばいながらゆっくりと腰を上げ、玄関まで彼を迎えに行く私。
彼氏:「ただいま」
夏実:「おかえりなさい。」
彼氏:「今日はどうだった。検診だったんだろ。」
夏実:「そうよ。」
彼氏:「あれっ。少しお腹大きくなった?」
夏実:「わかるの?」
彼氏:「毎日見てるからね。」
夏実:「これから検診の度に、妊娠週数にあわせてお腹を大きくしてくれるらしいわ。すごいでしょ。」
彼氏:「へえ、そんなことができるのか。すごいな。」
夏実:「それにね。今日は超音波検診を受けたの。」
彼氏:「順調だった?」
夏実:「もちろんよ。超音波の写真をいただいたの。これよ。」
彼氏:「おお、ちゃんと人間の形してるね。これが俺たちの赤ん坊か。」
夏実:「あのね。赤ちゃんの性別もわかったのよ。知りたい?」
彼氏:「どっち?」
夏実:「あなたの望みどおり、男の子だって。」
彼氏:「やった。男の子か。よくやった夏実。でかしたぞ。」
彼は私に抱きつき、とても喜んでくれた。
夏実:「痛い。そんなに強く抱きつかないで。私お腹に赤ちゃんがいるんだから。」
彼氏:「おお、そうだった。ゴメン。でもよかったな。」
夏実:「うん。」
妊婦生活の幸せな一コマを演じていることに萌え、少しほほを赤らめながら、私は小さくうなづく。
つづく...
少しだけ現実的な夢 1 - 序章 -
先月末に妊婦女装するチャンスがあったのですが、急に用事が入ったりで、結局お腹を大きくすることはできませんでした。しばらく妊婦になれないとフラストレーションがたまりそうです。今度はいつ大きなお腹になるチャンスが来ることやら...
そんな欲求不満を少しでも解消するために、またコラージュを作りました。その写真を使って、少し現実的な夢を妄想しようと思います。
---
私、海野夏実は、大きなお腹の妊婦になることに憧れ、妊婦女装を営んでいる男の娘。年齢は32歳なので、もう娘というよりは熟女かな。パートナーである資産家の彼氏と高層マンションに住んでいて、普段は妊婦姿のまま生活しているの。このマンションの住民はお互い干渉することはないので、偽の妊婦だけれど大胆にも大きなお腹でお出かけもしているわ。もし、私が妊婦女装者だとバレても干渉してくることはないだろうし、怖くないと開き直っているので、私は安心して大きなお腹で毎日を過ごすことができるのです。
ある日、家事を済ませてリビングに座り、大きなお腹を擦りながらノートPCでネットを見ていたら、「まさみクリニック」という女装専門の産婦人科を見つけたの。興味を持ったのでホームページを覗いてみると、産婦人科といっても本当の病院ではなくて、女装者のための産婦人科ごっこを体験できるところのようです。そこでは、妊婦女装子のために、妊婦検診や擬似出産を体験させてくれるようで、私の住む街から少しだけ遠いけど、期待に胸を躍らせながら電車に乗って行ってみたわ。もちろん、妊婦女装して。
ホームページには詳しく載ってなかったけれど、小さなビルの1フロアを使って、本当の産婦人科と同じ様な作りになっているみたい。ちゃんと受付、待合室、診察室があって、奥の方には分娩室まで用意されていたの。待合室では、大きなお腹を抱えて待っている妊婦さん(といっても妊婦女装子さん)が3人、お腹が大きくない方が2人ほど既に待っていたわ。結構繁盛しているのかしら。
私は受付を済ませ、待合室の椅子に座ると、隣に座っていた妊娠後期と思われるお腹を抱えた妊婦から話しかけられた。
妊婦:「はじめて?」
夏実:「ええ。常連さんなんですか?」
妊婦:「ここで1人産んで、いま2人目を妊娠中なのよ。あたし、高野響子。あなたは?」
彼女は、私より少し年上のベテラン妊婦といった感じの人。
夏実:「私、海野夏実といいます。」
妊婦:「夏実ちゃんね。よろしくね。ところで、あなたのお腹、何を詰めているの?」
夏実:「クッションですけど。」
妊婦:「あのね、ホームページには書いていなかったと思うけど、ここは凄いお腹を貸してくれるのよ。知ってる?」
夏実:「いいえ。凄いってどんなのですか?」
妊婦:「シリコン製のラバースーツに乳房とお腹がついていて、それを着ると本物の妊婦さんみたいになれるのよ。お風呂やトイレも着たままでOKよ。おまけに、お腹の中の赤ちゃんがときどきグリグリ動いて胎動まで感じられるの。」
夏実:「す、凄い。」
妊婦:「それだけじゃないわ。擬似出産のときには、そのスーツの股間から、赤ちゃんを娩出できるのよ。もちろん人形だけどね。」
夏実:「知らなかったです。ここ、料金高いんですか?」
妊婦:「確かに少し高いけど、貴重な体験ができるわ。あなたもぜひやってみるといいわ。私、2回とも借りているのよ。」
受付の女性:「高野さん、高野響子さん。」
妊婦:「じゃあね。夏実ちゃん。私、診療代支払って帰るわね。あたし、あと2回検診が終わったら臨月に入って出産なの。また会いましょう。」
夏実:「はい。色々教えていただいて、ありがとうございました。」
高野響子と名乗る妊婦女装子さんは、重そうに大きなお腹をかばいながらゆっくりと椅子から立ち上がり、受付で支払いをして帰っていった。
看護士:「海野さん、海野夏実さん。」
夏実:「あっ、はい。」
名前を呼ばれて診察室に入った。私は高野響子の奨めどおり、リアルなマタニティラバースーツを借りることにした。買い取りもできるみたいだから、使ってみてよければ買っちゃおうかしら。看護士さんからスーツについて色々と説明を受けたあと、診察室で裸になり、ラバースーツを身に着けた。診察室にあった姿見用の鏡を見て、私はうれしくなった。鏡に映っていたのは、私の妊婦ヌード。身体にぴったり張り付く感じで装着感も心地よく、クッションよりお腹が重いの。私は、前のめりになりそうなのを少しのけぞった姿勢をとってお腹の重みを支えた。「ああ、本物のお腹もこれくらいの重さなのかしら。」そう思うと、少し本物の妊婦に近づけた気がして興奮してきた。
その後、体重、腹囲、子宮底などを測った。ベッドに横なって子宮底を測定するとき、看護士さんにお腹を触られて気づいたんだけど、ラバースーツの下には丸い子宮があって、皮膚の表皮はやわらかく弾力性があるけれど子宮は硬く張っているの。この中に赤ちゃんがいるのね。
次に妊婦女装姿の院長「まさみさん」の診察を受けたの。まさみ先生は見た感じ40半ばくらいで高齢での妊娠のようだけど、お腹はすごく大きくて動くのも大変そう。お腹の中の赤ちゃんは双子で、開発中の多胎用のマタニティラバースーツのテストをしているのだそうです。問診、触診などのあと、産婦人科特有の股を開いて固定する検診台に初めて載せられて内診(下のほうの診察)も受けちゃった。パンティーを脱いで検診台に上がって見られているときは、少し恥ずかしかったわ。結果は全て順調とのこと。今後、出産までのスケジュールも確認し、私は新しいお腹を抱えて家に帰ったの。
産婦人科でのことを、仕事から帰ってきた彼に話すと、彼は私のお腹に耳を当ててきた。
夏実:「どう?」
彼氏:「凄い。赤ん坊の心音も聞こえるよ。」
夏実:「本当?」
彼氏:「本当だよ。赤ん坊、動くのか。」
夏実:「ときどき元気に動くよ。グルグルって。あっ、いま動いた。わかった?」
彼氏:「本当だ。動いた。俺たちの子供だね。」
夏実:「そうよ。私、とっても幸せ。ねえ、出産に立ち会ってくれるよね。」
彼氏:「ああ。日曜日だと仕事が休みだから大丈夫。」
夏実:「うれしい。それまでリアルなマタニティライフを楽しまなくちゃ。」
その後、私たちはグレードアップした私のお腹を存分に楽しみながら毎日を過ごした。妊婦フェチでもある彼は、今まで以上に私の大きなお腹に興味を持って、毎日撫でたり頬擦りしてきた。私自身は、少し重いお腹を抱え、ときどきやってくる胎動を感じながら、今までにない幸福感を味わったわ。それとともに、重いお腹で炊事、お洗濯、お買い物など家事をこなすうち、本物の妊婦の大変さが少しわかった気がした。
---
今日は、2回目の妊婦検診の日。体重、腹囲、子宮底などを測ったあと、超音波検診をします。ベッドに横に寝かされ、私はマタニティウェアをめくってお腹を出した。しばらくマタニティラバースーツで生活していると、不思議だけど、この大きなお腹が本物のお腹に感じてきているの。見た目も凄くリアルだし、生身と密着して一体感も強いからかしら。看護士さんに超音波検診用のジェリーをお腹に塗られ、私はまさみ先生が来るのを待つわ。
つづく...

そんな欲求不満を少しでも解消するために、またコラージュを作りました。その写真を使って、少し現実的な夢を妄想しようと思います。
---
私、海野夏実は、大きなお腹の妊婦になることに憧れ、妊婦女装を営んでいる男の娘。年齢は32歳なので、もう娘というよりは熟女かな。パートナーである資産家の彼氏と高層マンションに住んでいて、普段は妊婦姿のまま生活しているの。このマンションの住民はお互い干渉することはないので、偽の妊婦だけれど大胆にも大きなお腹でお出かけもしているわ。もし、私が妊婦女装者だとバレても干渉してくることはないだろうし、怖くないと開き直っているので、私は安心して大きなお腹で毎日を過ごすことができるのです。
ある日、家事を済ませてリビングに座り、大きなお腹を擦りながらノートPCでネットを見ていたら、「まさみクリニック」という女装専門の産婦人科を見つけたの。興味を持ったのでホームページを覗いてみると、産婦人科といっても本当の病院ではなくて、女装者のための産婦人科ごっこを体験できるところのようです。そこでは、妊婦女装子のために、妊婦検診や擬似出産を体験させてくれるようで、私の住む街から少しだけ遠いけど、期待に胸を躍らせながら電車に乗って行ってみたわ。もちろん、妊婦女装して。
ホームページには詳しく載ってなかったけれど、小さなビルの1フロアを使って、本当の産婦人科と同じ様な作りになっているみたい。ちゃんと受付、待合室、診察室があって、奥の方には分娩室まで用意されていたの。待合室では、大きなお腹を抱えて待っている妊婦さん(といっても妊婦女装子さん)が3人、お腹が大きくない方が2人ほど既に待っていたわ。結構繁盛しているのかしら。
私は受付を済ませ、待合室の椅子に座ると、隣に座っていた妊娠後期と思われるお腹を抱えた妊婦から話しかけられた。
妊婦:「はじめて?」
夏実:「ええ。常連さんなんですか?」
妊婦:「ここで1人産んで、いま2人目を妊娠中なのよ。あたし、高野響子。あなたは?」
彼女は、私より少し年上のベテラン妊婦といった感じの人。
夏実:「私、海野夏実といいます。」
妊婦:「夏実ちゃんね。よろしくね。ところで、あなたのお腹、何を詰めているの?」
夏実:「クッションですけど。」
妊婦:「あのね、ホームページには書いていなかったと思うけど、ここは凄いお腹を貸してくれるのよ。知ってる?」
夏実:「いいえ。凄いってどんなのですか?」
妊婦:「シリコン製のラバースーツに乳房とお腹がついていて、それを着ると本物の妊婦さんみたいになれるのよ。お風呂やトイレも着たままでOKよ。おまけに、お腹の中の赤ちゃんがときどきグリグリ動いて胎動まで感じられるの。」
夏実:「す、凄い。」
妊婦:「それだけじゃないわ。擬似出産のときには、そのスーツの股間から、赤ちゃんを娩出できるのよ。もちろん人形だけどね。」
夏実:「知らなかったです。ここ、料金高いんですか?」
妊婦:「確かに少し高いけど、貴重な体験ができるわ。あなたもぜひやってみるといいわ。私、2回とも借りているのよ。」
受付の女性:「高野さん、高野響子さん。」
妊婦:「じゃあね。夏実ちゃん。私、診療代支払って帰るわね。あたし、あと2回検診が終わったら臨月に入って出産なの。また会いましょう。」
夏実:「はい。色々教えていただいて、ありがとうございました。」
高野響子と名乗る妊婦女装子さんは、重そうに大きなお腹をかばいながらゆっくりと椅子から立ち上がり、受付で支払いをして帰っていった。
看護士:「海野さん、海野夏実さん。」
夏実:「あっ、はい。」
名前を呼ばれて診察室に入った。私は高野響子の奨めどおり、リアルなマタニティラバースーツを借りることにした。買い取りもできるみたいだから、使ってみてよければ買っちゃおうかしら。看護士さんからスーツについて色々と説明を受けたあと、診察室で裸になり、ラバースーツを身に着けた。診察室にあった姿見用の鏡を見て、私はうれしくなった。鏡に映っていたのは、私の妊婦ヌード。身体にぴったり張り付く感じで装着感も心地よく、クッションよりお腹が重いの。私は、前のめりになりそうなのを少しのけぞった姿勢をとってお腹の重みを支えた。「ああ、本物のお腹もこれくらいの重さなのかしら。」そう思うと、少し本物の妊婦に近づけた気がして興奮してきた。
その後、体重、腹囲、子宮底などを測った。ベッドに横なって子宮底を測定するとき、看護士さんにお腹を触られて気づいたんだけど、ラバースーツの下には丸い子宮があって、皮膚の表皮はやわらかく弾力性があるけれど子宮は硬く張っているの。この中に赤ちゃんがいるのね。
次に妊婦女装姿の院長「まさみさん」の診察を受けたの。まさみ先生は見た感じ40半ばくらいで高齢での妊娠のようだけど、お腹はすごく大きくて動くのも大変そう。お腹の中の赤ちゃんは双子で、開発中の多胎用のマタニティラバースーツのテストをしているのだそうです。問診、触診などのあと、産婦人科特有の股を開いて固定する検診台に初めて載せられて内診(下のほうの診察)も受けちゃった。パンティーを脱いで検診台に上がって見られているときは、少し恥ずかしかったわ。結果は全て順調とのこと。今後、出産までのスケジュールも確認し、私は新しいお腹を抱えて家に帰ったの。
産婦人科でのことを、仕事から帰ってきた彼に話すと、彼は私のお腹に耳を当ててきた。
夏実:「どう?」
彼氏:「凄い。赤ん坊の心音も聞こえるよ。」
夏実:「本当?」
彼氏:「本当だよ。赤ん坊、動くのか。」
夏実:「ときどき元気に動くよ。グルグルって。あっ、いま動いた。わかった?」
彼氏:「本当だ。動いた。俺たちの子供だね。」
夏実:「そうよ。私、とっても幸せ。ねえ、出産に立ち会ってくれるよね。」
彼氏:「ああ。日曜日だと仕事が休みだから大丈夫。」
夏実:「うれしい。それまでリアルなマタニティライフを楽しまなくちゃ。」
その後、私たちはグレードアップした私のお腹を存分に楽しみながら毎日を過ごした。妊婦フェチでもある彼は、今まで以上に私の大きなお腹に興味を持って、毎日撫でたり頬擦りしてきた。私自身は、少し重いお腹を抱え、ときどきやってくる胎動を感じながら、今までにない幸福感を味わったわ。それとともに、重いお腹で炊事、お洗濯、お買い物など家事をこなすうち、本物の妊婦の大変さが少しわかった気がした。
---
今日は、2回目の妊婦検診の日。体重、腹囲、子宮底などを測ったあと、超音波検診をします。ベッドに横に寝かされ、私はマタニティウェアをめくってお腹を出した。しばらくマタニティラバースーツで生活していると、不思議だけど、この大きなお腹が本物のお腹に感じてきているの。見た目も凄くリアルだし、生身と密着して一体感も強いからかしら。看護士さんに超音波検診用のジェリーをお腹に塗られ、私はまさみ先生が来るのを待つわ。
つづく...

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