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ショートストーリー #01

 去年11月から連載した「少しだけ現実的な夢」は、そこそこ長編になったのですが、正直、続き物のストーリーを考えるのは結構苦労しました。そのせいか、全8話だったのですが完結は今年の2月末までかかってしまいました。そのため、もう少し気軽に書ける短めのストーリーに取り組んでみたいと思います。

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 私は海野夏実。大きなお腹の妊婦になることに憧れ、妊婦女装を営んでいる男の娘。パートナーである資産家の彼氏と高層マンションに住み、彼の妻として、そしてもうすぐママになる一人の幸せな女性を演じて毎日を過ごしていて、ちょっとした女優気分で本来の姿と「ちがう私」を演じているの。でもそれは私が望んでいる姿であり、逆に妊婦姿の私が「本当の私」なのかもしれないと思うこともあるわ。

 私はほぼフルタイムで妊婦姿のまま生活し、お腹が大きくないのはお風呂に入るときくらいかしら。お買い物や近所へのお散歩も妊婦姿のままなの。お腹を大きくして出かけている間には、街で人とすれ違うことやスーパーで大勢の人の中にいることもあるけれど、人々の視線が私の大きなお腹に注がれているのに気付くことがあるの。大きくそして丸く盛り上がったお腹は私の身体の中心にあり、私はこれみよがしにお腹を突き出して歩くので、どうしてもお腹は目立ち、みんな注目してしまうのかしら。そんなふうに他人の視線を感じるとき、私は彼らの目から見た「妊婦として見られている自分」の姿を想像して萌えるの。また、街でショーウィンドウの横を歩き自分自身の姿が映ったときも、マタニティドレスを着た大きなお腹の私を客観的に見つめる瞬間があり、同じように妊婦であることを実感して萌えるのよ。最初は見られていることがとても恥ずかしかったけれど、今は違うわ。適度な羞恥心が持続する中で、大きなお腹を見られている悦びを感じて、とてもうれしいの。完全にやみつきになってしまっているわ。
 パートナーの彼とはラブラブで、彼はとても優しく、妊婦の私をいつも気遣てくれるの。実は、彼は妊婦フェチのうえに女装子好きで、妊婦女装の私は彼の好みにぴったりマッチしているようなの。私は彼のために家事をこなし、身重な身体ではあるけれど妻としての夜の営みも怠ることなくつくしているわ。私は彼を愛しているわ。このお腹の中に本当に彼の赤ちゃんを宿すことができたら、もっと幸せになれるのにと思うの。それは叶わない夢だけど、その分、彼のために妊婦女装のスキルを磨き少しでも本物の妊婦に近づけるよう絶えず努力しているわ。そして同時にそれは私自身のためでもあるの。

 今夜は、胎教にいいからと彼がオペラを見に連れていってくれるの。気分を出すために、彼と私は少しフォーマルな装いで出かけることにしたわ。彼は黒のタキシードを着ていくということで、私はそれに合うようなマタニティドレスを選ぼうと思うの。彼はもう用意ができていて寝室のベッドに腰を掛けて私の支度が整うのを待ってくれている。そして、さっきからウォークインクローゼットにこもっている私にこう言うの。
彼氏:「夏実、まだ迷っているの?何を着ても君は素敵だよ。」
私は大きなお腹を突き出し、ウォークインクローゼットから歩いて出てきて、彼に答える。
夏実:「もうちょっと待ってぇ。2着まで候補を絞ったの。あと少しで決めるから。」
私は、既に黒のマタニティブラとマタニティーショーツを身に着け、黒のマタニティストッキングを穿いているけど、どのドレスにするか決めかねているの。

Black Intimates #8 (Refurbished)

クローゼットから出てきた私の姿を見て、彼はベッドから立ち上がり、私のそばに来て後ろから私を抱きしめたわ。
彼氏:「夏実。とってもセクシーだよ。ドレスは着なくてそのままでいいんじゃない。」
夏実:「もう、バカなこと言わないで決めるの手伝ってくれない?」
そう言いかけた私を彼は強引に振り向かせ、熱くそして優しいキスをしてくれた。彼のキスに私はとろけそうな甘いムードになったわ。
彼氏:「オペラに行くのをやめて、家で二人っきりでゆっくりしようか。」
夏実:「ダメよ。私楽しみにしてたもの。それに、お腹の赤ちゃんのためにオペラを聞きたいのよ。」
彼氏:「わかったよ。ドレス持ってきておいで。」
私は、黒いシルクでプリーツが沢山施されたロングドレスと黒の膝丈のミニワンピを持って彼の前に立った。そして、それぞれを交互に私の身体の前に重ねて彼に見せてみるの。ドレスは私の大きな丸いお腹に合わせて曲線を描く。彼は私から少し離れ、それぞれのドレスを重ねた私を眺め思案していたけど、すぐにこう言った。
彼氏:「うーん。ロングドレスの方かな。待って、やっぱりミニワンピがいい。」
夏実:「そうよね。私もそう思ってたのよ。ミニワンピの方よね。」
そして、またそばに近づいて来て私の大きなお腹を優しくさすりながらこう言った。
彼氏:「でも、上には何か羽織っていくんだよ。夜風でお腹を冷やさないように。」
夏実:「ありがとう。やさしいのね。」
私は再び大きなお腹を突き出してクローゼットに歩いて入り、ロングドレスの方を元の場所に戻すと、ミニワンピをハンガーから外して身に着けた。そして薄手の黒いロングコートを羽織って、あらかじめ選んでいたパールのネックレスとピアスをつけ、鏡を見ながらカールのついた髪を手ぐしで整えるの。そして姿見に全身を映して自分の妊婦姿の最終チェックをしたわ。
夏実:「これで完璧ね。」
私はクローゼットから出て再び彼の前に立ち、ゆっくりとターンしながら私のマタニティフォーマル姿を見てもらった。
彼氏:「素敵だよ、夏実。どこに出しても恥ずかしくないクラッシーな妊婦さんだ。」
夏実:「ありがとう。オペラ楽しみだわ。」
彼氏:「さあ、出かけようか。」
私は小さくうなずき、彼と腕を組んで出かけて行った。

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4/20 追記
一応、ここでこのショートストーリーはクローズすることにしました。
でないと、また長編になってしまいそうで...
でも、続きのお話は考えていますので、いつか書き足すかもしれません。

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やっぱり引っ越しやめるかもしれません。

引っ越し先の条件が思っていたのと違っていたため、当面こちらでの運用を継続し、改めて引っ越しするかどうか決めたいと思います。
みなさん、お騒がせしてすみません。

引っ越しします。

今後は、こちらへお越しください。

http://natsumom.hatenablog.jp/

もう春ですね。

私の住んでいる街も桜が咲き始めましたよ。もう春ですね。
薄いピンク色のキレイな桜の花を見ていると、なんだかフレッシュな気分になり、元気が湧いてきます。今週中にお花見をしないと散ってしまうかもしれません。
そんな中、街で見かける妊婦さんの装いも春っぽくなってきています。
一昨日や昨日見かけた妊婦さんはシフォンの花柄ワンピの方が二人もいました(さすがにそれだけでは寒いと思われ、上にはカーディガンを羽織られていました)。
二人ともとても素敵でしたよ。
私も彼女たちに感化され、今度お腹を大きくするときは春っぽいワンピを着て写真を撮ろうと思いました。
でも、もうその頃は5月なので、4月とはまた違った装いが似合う頃なのかもしれません。

ワンピではないですが、先日撮った花柄のレギンスの写真を載せておきますね。

Glay tunic and leggings #3